
一言で片付けていませんか?“レコメンドツール”とは
サイト運営担当の方! “レコメンドツール”は用途や機能により3種類に分けられます。 ECサイトで商品をおすすめ表示できるもの、広告の配信枠として使えるもの、あともう一つ、ご存知ですか?
レコメンドウィジェットとレコメンドエンジン
レコメンドツールは一言で表現してしまうと、商品などをおすすめ表示(レコメンド表示)することで顧客一人あたりの収益向上といった効果を生むツールのことです。 レコメンドツールの分類を図にしてみました。

まず大分類として、“レコメンドウィジェット”と“レコメンドエンジン”の違いについて述べていきます。 その違いはおすすめするものが広告か、サイト内のコンテンツかにあります。
レコメンドウィジェット

一般にはWebメディアにおいて、ユーザーの好みに応じた記事コンテンツと、ユーザーが関心のありそうなネイティブ広告を配信するツールです。
レコメンドエンジン

一般にはECサイトにおいて、ユーザーの好みに応じたサイト内のコンテンツ(ECサイトであれば商品)をおすすめ表示し、購買を促進するツールです。
そしてレコメンドエンジンは更に2つに分類が可能です。

「サイト内コンテンツをおすすめする」という観点では同じですが、そのコンテンツが商品か、記事かということで更に分けることができます。“レコメンドツール”というと、前述のレコメンドウィジェットやEC向けのレコメンドエンジンがすぐに思い浮かぶかもしれませんが、純粋にサイト内のコンテンツをレコメンド表示する、という使い方も忘れてはいけません。
でもそれって結局使うツールって一緒じゃない?と思った方、実はこの3タイプのレコメンドツールの使い方やレコメンドツールに期待することってちょっと異なるんです。
レコメンドウィジェットとレコメンドエンジンどっち?
今度はツールの分類とは逆の視点、ツールを導入するサイト側の分類からどのようなレコメンドツールが利用できるかを整理してみましょう。 先ほどの分類に合わせて3タイプのWebサイトに分けて考えてみます。
①広告収益を立てたいメディア
広告配信と回遊率向上が両立できる「レコメンドウィジェット」が適します。 ユーザーと広告との接触回数を増やすことで、広告クリック数=収益の改善に繋がります。 ただしブランドセーフティーの観点から、メディアにとって不適切な広告が表示されていないかには留意する必要があります。
②ECサイト
ECの場合は、そのものEC向けの「レコメンドエンジン」が最適です。 会員データと連携すればパーソナライズされたレコメンドも可能です。
③広告を表示したくないWebメディア
ブランドサイトや企業の運営するブログ等では、記事の最後に“関連記事”こそ表示していたとしてもレコメンドエンジンまで利用している企業はまだまだ少ないのではないでしょうか?
“問い合わせ”“資料請求”等の明確なコンバージョン点がありサイト外部にユーザーを逃したくない、もしくは、ブランディング目的のオウンドメディアのように広告を表示することが難しい場合には、サイト内のほかのコンテンツをおすすめ表示する「レコメンドエンジン」が有効です。 広告も表示されるレコメンドウィジェットを導入してしまうと、その広告から他サイトへユーザーが流れてしまう可能性があるため、メディアの運営目的と合致しません。 サイト内の別コンテンツを表示させることで離脱率の改善=回遊率の向上を目指していく必要があります。
この「回遊率の向上を目指す」という点は①広告収益を立てたいメディアと同じ目の付け所ではありますが、「広告のクリック数を増やすためにユーザーと広告の接触回数を増やしたい、そのために回遊率の向上を目指す」という①のメディアに対して、この③のメディアは「サイト内のコンテンツを読んでもらって、サイトに対してファンになってもらいたい・問い合わせをしてもらいたい」ということが原点にあります。 そのため、回遊率はもちろんのこと、読了率であったり、ユーザーのサイト内の行動であったりも分析することも重要になってきます。
レコメンド技術を簡単紹介
実はこのレコメンドツール、裏側では高度な分析や統計によってレコメンデーションを実施しています。 一般的なレコメンド技術について簡単にご紹介していきます。
レコメンドに使われている技術のうち、特にメジャーなのは、行動分析(強調フィルタリングとも呼ばれる)と、コンテンツ分析の2種類です。
行動分析(強調フィルタリング)はユーザーがサイト内でどのような行動をしているかを分析するもので、コンテンツ分析は各ページのテキスト、画像を解析し対象のページの属性に関連性のあるページを関連記事としてレコメンド表示するものです。 特に後者のコンテンツ分析では各ページを分析する精度を高めるために、AIを利用しているレコメンドツールもあります。
またレコメンドツールによっては、レコメンドウィジェットとしてのみ使えるものもあれば、ECサイトに特化したもの、全体的に対応できるよう開発されているものと得意分野も異なりますので、どこに強みがあるのかチェックすることが必要となります。
まとめ
一言で“レコメンドツール”といっても、広告枠を創出するツールもあれば、ECサイトに強いレコメンドツールもありますし、純粋にサイト内のコンテンツをおすすめするレコメンドツールもあります。
どんなものをどうやっておすすめしたいかは、メディアのあり方によって様々なのでそれを考慮してツールを選ぶ必要があります。 まずは例示した3タイプ、どれに当てはまるのか、どれを目指したいのか、メディアにおいてユーザーにどんな体験をしてほしいか、を考えつつ、導入にふさわしいレコメンドツールを見ましょう。